ストールとマフラーの違いや歴史 ルーツは聖職者の肩掛けとアゴをおおう女性の白い布!

ストールもマフラーも防寒用とか温度調節のアイテムですが、今やその実用性もさることながら、ファッションのアクセントとしてアクセサリー感覚で受け入れられていますね。そんなマフラーとストールは、どのようにして生まれてきたのでしょうか。そのルーツと歴史を探ってみましょう。

1. マフラーとストールの違いとは?

♦マフラーとは?

マフラーは一般的には厚手のウールでつくられた長方形の巻き物で、首に巻いたりえりや肩に掛けたりするものを指します。えり巻きとも言われます。

主な目的は防寒ですが、最近では様々な素材が出てきて、夏でもコットンでできたマフラーを紫外線対策として使うこともあり、その活用シーンは幅を広げています。家に入ったら取らなくては取らなくてはならないので面倒という声る聞えてきますが、首周りや胸元を温かくしてくれるので、冬の健康維持のためには大切なアイテムでしょう。

♦ストールとは?

一方、ストールは英語で「肩掛け」を意味します。ストールは生地自体が薄手です。ショールも同様に肩にかけたりして着用しますが、ショールは四角形であるのに対してストールは長方形で帯状の形をしていますし、生地も厚手です。

ストールは、フォーマルな場でのアイテムとしてイブニングドレスなどと一緒に着用もされます。首に巻くこともありますが、肩掛けとして認識されています。

ただ、最近は男性がこのストールをくしゃくしゃにして、首に巻きつけている独特のファッションにお目にかかることもあります。ストールを、ファッションアイテムとして使用しているのですね。

ストールは、もちろん防寒用に使用されることはありますが、春や秋、ちょっと肌寒い時の温度調節にも使えますし、素材も選べば夏は冷房対策にも使用できます。生地もカシミヤとかウール素材から、レーヨン、コットン、リネンなどいろいろ用意されていますから、四季折々1年中使用できるのが重宝です。それに、軽くかさはらないので携帯に便利です。ちょこっと、カバンなどに入れておけるのもメリットでしょう。

2.マフラーの歴史とは

マフラーの起源については諸説ありますが、15世紀頃といわれています。当時のヨーロッパの女性の中には顔の下の部分を四角の白い布で覆っていた人たちがおり、これをマフラーと呼んでいたのが起源という説が一般的です。

時代は下りフランス革命の時代になると、アゴから首にかけて黒い布を巻くといったスタイルになり、現代の形式に近いものになりました。また、この時代からカシミヤのえり巻きやショールが防寒具として広まり始めました。そして、19世紀になると一般の人にも普及し始めました。

もともとは女性の顔を覆うための布だったマフラーですが、昔は兵士の「戦場における目印」になったり、時には「包帯」のかわりに使われたりと様々な用途で活用されていました。

3.ストールの歴史とは

♦僧侶の肩掛けだったという説と古代ローマの「ストラ」だったという2説

「ストール」という言葉には、一説には衣服の「長着」という意味があります。

古代ローマで既婚の女性が着ていた「ストラ」という肩から足まで体のほとんどを覆う上着がストールの由来であるというのです。

もう一説ですが、中世におけるカトリック聖職者が身に着けていた肩からひざの下まで垂らす肩掛けも「ストラ」と呼んでおり、これが変化したものと言われています。

また、古代ローマのストラが次第に中世の聖職者のストラになってこれがストールになったという両方の説を含んだ考え方もあります。

♦貴族の女性が聖職者の肩掛けを真似正装に

16世紀になると、荘厳な聖職者だけが着用していた肩掛に対しての憧れたためか、貴族階級の女性たちが聖職者の肩掛けをヒントにファッションとして取り入れてしまった記録があります。貴婦人たちは、権威や富裕の象徴として毛皮や光沢のある絹のストールをドレスなどの上からまとうようになったと言われ、それが定着してその名残は現代まで続いています。

今ではこのスタイルが正装となり、女性の正装は「イブニングドレスの上にストールを腕にからませる装い」となっています。

4.日本におけるマフラーの歴史とは?

日本に「マフラー」が伝わったはいつなのか・・・正確な記録はありません。呼び方については、日本では長い間マフラーのことを「エリ巻き」と呼んでいました。

このエリ巻きという言葉から古い文献をたどると、一休和尚が出てきます。「あの一休さんが?」と意外なに思われる人もいるかもしれませんが、1461年に「一休和尚」が詠んだ歌の中に「えり巻」という言葉が登場します。

このことから1461年にはすでに防寒具として「えり巻き」が普及していたことがうかがえますね。

ですがこの「えり巻き」、現代のものとはちょっと違います。確かに、この時代に「えり巻き」という名の防寒具はありましたが、我々が思い浮かべるような首周りのみ温める「えり巻き」は発達しませんでした。というのも、日本では首の保護には頭巾や手ぬぐいと言った物が用いられていたからです。

現在使用されているストールなどについては、明治時代に入り西洋諸国との交流が本格化してから鹿鳴館時代の経緯のなかで肩掛けと呼ばれた「ショール」などが紹介されていきます。

「マフラー」についてですが、初めて日本で発売されたのは明治の初期。1873年に毛皮のえり巻きが販売されました。

5.マフラーとストールの巻き方コーデ

こうした歴史を経て、私達はマフラーやストールを便利アイテムとして使用しているわけです。

防寒や温度調節の手段としてマフラーやストールを活用することはもちろんですが、巻くことでファッションのアクセントにもなります。特に、ストールは薄手ですから、いろいろな巻き方ができます。普通にショールのように使うことはもちろん、エディター巻き、くしゃくしゃ巻き、アフガン巻きなどが定番です。マフラーにもいろいろ巻き方があって肩かけ巻き、ドーナツ巻き、ループ巻きなどの演出も可能です。

まとめ

マフラーとストールの発祥と歴史をざっとみてきました。ストールの起源は、聖職者の肩掛けであったということ、マフラーの起源は15世紀頃ヨーロッパで女性が顔を覆った白い布からきているということでした。

今では、マフラーもストールも私達の生活のなかで欠くことができないアイテムになっています。温かく小顔効果も期待でき、ファッションのアクセントにもなりるマフラーやストール。柄物、無地といろいろそろえるとコーデの幅も広がるでしょう。

2016年11月17日 ストールとマフラーの違いや歴史 ルーツは聖職者の肩掛けとアゴをおおう女性の白い布! はコメントを受け付けていません アクセサリーの歴史