ループタイの発祥や歴史 発祥の地アーリーアメリカン伝説に思いをはせる!

ループタイは、日本では高年齢の人のものと言われていましたが、昨今はデザインも工夫されてきて、若い人にも人気が出てきました。その発祥の地であるアメリカでは1977年、アリゾナの公式首飾りになりました。西部の州では職員や政治家たちが、ループタイを身に着けていると言われます。そんなループタイですが、そのルーツはどこにあるのか興味深いですね。

1.ループタイとは?

紐状のネクタイで留め金をコントロールしながら装着する簡易タイのことです。

日本ではループタイとかコードタイとか呼んでいますが、発祥地とされるアメリカではボロタイとか、ボーラタイと呼んでいます。

装着の仕方は、頭からタイをかぶって留め金を動かしなから長さを調整してつけます。アグレットという金具がひもの先端に接着し、ループタイがほどけたり落ちたりしないようになっています。素材としては七宝、彫金、コイン、天然石、陶器などといろいろな素材が使われています。

2.ループタイの発祥

では、ループタイの発祥地はどこなのでしょう。

♦アリゾナ州ビクター・シーダースタフがループタイの特許申請をした!

1940年代後半、アリゾナ州ウィッケンバーグのビクター・シーダースタフという銀細工師が、ループタイを発明しデザインの特許取得をしたことが、ループタイの発祥として記録はされています。

サンセットという新聞社の記事が、その経緯について詳細に書いています。それによれば、このビクター・シーダースタフが馬に乗っている時、帽子を失わないように首の周りにひもを滑り込ませたというのです。友人たちはからかって「あなたが着ているネクタイ、ビッグで素敵だ」と言ったとか…。

このことからヒントを得て、ビクター・シーダースタフは最初のループタイを作り、特許申請しました。ここが一般的には、ループタイの発祥と言われます。ところが、それはループタイのひも同士をつなぐ金具の形態を特許申請したものにすぎませんでした。

基本となる編まれた皮コードの技術、ならびに精巧な銀細工の技法などは、もともとネイティブ・インディアンの積年積み上げ工夫されてきた技法でした。こうした先人の技法の下地があったからこそ、ビクター・シーダースタフも作品を作り、それを特許申請できたのでしょう。つ

ループタイの発祥においてネイティブアメリカンの基礎技術の影響が多分にあったと言えるでしょう。

♦ネイティブアメリカンのジュエリー伝説

ループタイの起源は、いまだにはっきりとしていないのが現状です。しかし、いくらビクター・シーダースタフがループタイを発明しその特許を得たとしても、アリゾナに住む高品質のホピ芸術を創造しているネイティブアメリカンホピ族や、ニューメキシコに住むナバホ族などの高品質なインディアンジュエリー伝説を軽視したり、無視し避けてしまうことはできないでしょう。

そういた意味からも、ビクター・シーダースタフが最初に発明したループタイが「最初のループタイ」と簡単に決めるのは、ちょっと立ち止まって考えた方がいいかもしれません。こうしたネイティブアメリカンたちの先人が実際にシルバーアート造形の基礎を作り、その概念を形にしていった最初の人であったことは自明のことだからです。そこには、当然ループタイも入っています。

ビクター・シーダースタフがループタイの所有権を主張し「商品化した」人物であったことは記録に残っている以上、間違いがないことでしょう。しかし、それがループタイの発祥ルーツかといえば難しいところす。ネイティブ・アメリカンの技術の積み上げがあったからこそ、その上に、特許申請が受理されたのでしょう。つまり、ビクター・シーダースタフは商業上での起源ではあるでしょうが、ループタイの精神的ルーツはアーリー・アメリカンたちに行き着くのではないでしょうか。

♦日本の歴史

1973年、日本では省エネルックが流行し、その折ネクタイの代用としてループタイは着用され始め、それをキッカケに普及もし始めました。現在はクール・ビズ対策として会社員もつけたり、若い人もクールなデザインを身に付けるようになりました。しかし、その普及率は発祥地アメリカなどと比べれば、低い状況でしょう。政治家や会社トップなども余りつけている姿を余りポピュラーに見られず、いまだオフィスではネクタイ至上主義が優先されているの感も否めません。

ループタイは、ともするとオフィス使いはご法度という会社もあるようで、ビジネス上での普及率はそんなに高いとはいえない状態が続いています。クールビス的な装いには、ループタイは胸元をエレガントに見せるピッタリなアイテムと思えるのですが、オフィシャルアイテムとして敬遠され気味なのは、装飾金具やアグレットのデザインがシックでさりげない製品が少ないからでしょうか。あるいは、日本では男性がアクセサリーをつける習慣が長いことなかったため、男性自身に戸惑いがあるのかもしれません。

まとめ

ループタイの精神的なルーツといえば皮ひもの編み方やシルバー細工などのテクニックで人々の心を揺さぶったアーリーアメリカンのホピ族や、ナバホ族などのシルバージュエリー伝説が気に掛かるところです。こうしたループタイの発祥地アーリーアメリカンの地に思いを馳せながら、とりあえずは、プライベートな服にループタイを取り入れてみたらいかがでしょうか。

ちなみに、ループタイは、ボタンダウンシャツとの相性がいいといわれています。何となく躊躇っている方は、小ぶりでシックなシルバー彫金系、そしてアグレットが目立たないものをチョイスなさることをお勧めします。

2016年11月18日 ループタイの発祥や歴史 発祥の地アーリーアメリカン伝説に思いをはせる! はコメントを受け付けていません アクセサリーの歴史